露出:カメラ初心者が最初に知るべきこと

露出

一度でも写真に関する本に目を通したことがある人なら、露出という言葉を目にしたことがあるかもしれない。写真とは被写体から跳ね返ってくる光を集めて記録しているが、露出とはその光を集める量のことをいう。

この記事のタイトル上にある写真は、露出の違う写真をつなぎ合わせたものだが、同じタイミングで撮ったにも関わらず、明暗がはっきりと違っている。これも集めた光の量の違いによる。

露出

露出とは被写体から跳ね返ってくる光をどれだけ集めたかということ。その集めた光の量や集め方によって、明るい写真や暗い写真、または動きのある写真などを表現することができる。

露出に絶対的な正解などはなく、自分の意図する写真を撮るために意図する露出を選ぶ必要がある。そのため、露出のコントロール方法を説明する前に、「標準露出」と「適正露出」という2つの言葉の説明をする。

標準露出

撮影した写真の明暗が目で見る明るさと同じか近い状態になる露出のこと。カメラに露出計がついていれば、露出計が0に近い明暗で撮影すれば、見た目に近い明るさで取れる可能性が高い。

適正露出

撮影者の意図する明暗の写真に必要な露出のこと。花が生き生きしている姿を撮りたければ、目に見える明るさよりも明るめに撮りたいと思うかもしれない。または、秋の夕暮れ時に悲しい雰囲気にするために、見た目よりも少し暗めに撮る必要があるかもしれない。

露出のコントロール

露出を決める要素は絞り、シャッタースピード、ISOの3つで下のような関係が成り立つ。露出とは各要素1つで決まるわけではなく、各要素の組み合わせで決まる。言い換えれば、露出を含む4つの項目のうちどれか3つが決まれば、残りの一つも自ずと決まる。

露出 = 絞り x シャッタースピード x ISO

絞り

絞りとはレンズを一度に通る光の量のこと。イメージとしては、蛇口をひねってどれだけの勢いで水が出ているかということに近い。

絞り

一般的にはF1.8などのFの後に数字がつく表記になっている。数字が小さい方がレンズを通る光が多く、数字が大きくなるにつれてレンズを通る光の量が少なくなる。言い換えれば、蛇口を解放して大量の水が出ている状態がF1.8で、蛇口を絞って水がチョロチョロと出ている状態がF22。

シャッタースピードとISOが同じであれば、F1.8は明るい写真になるのに対し、F22だと暗い写真になる。

シャッタースピード

シャッタースピードとは光がレンズを通り続ける時間のこと。絞りと同じ蛇口で例えると、蛇口から水を出している時間のこと。

シャッタースピードは1/8000秒という速さから30秒以上とカメラの性能によって選べる範囲が決まっている。シャッタースピードが遅い(長時間光が通り続けている)方がレンズを通過する光も多く、速くなるごとに集める光の量が減少していく。長時間蛇口を開けていれば大量の水が出、数秒だと水の量が少ないのと同じこと。

絞りとISOが同じであれば、シャッタースピードが遅いほど明るい写真になり、速いほど暗い写真になる。

ISO

ISOとは絞りとシャッタスピードを調整して取り込んだ光を電気信号に変換する時に、その光の量を増幅すること。蛇口から水を注いだ後に、どこかから水を持ってきて継ぎ足すようなイメージ。

ISOはISO100を基準として、2倍ごとに数字大きくなっていくか、より小さい数字になっていく。ISOが大きくなるほど、増幅する光の量が多くなり、小さいほど増幅する光の量が少なくなる。またISO100以下では、取り込んだ光の量を減少させる。

絞りとシャッタースピードが同じなら、ISOが大きいほど明るい写真になり、小さいほど暗い写真になる。

まとめ

意図する写真を撮るためには適正露出にする必要がある。そして、その露出をコントロールするためには、下の3つの要素の関係性の理解が必要。また、各要素の数値と明暗の関係を下の表にまとめた。

露出 = 絞り x シャッタースピード x ISO

絞りシャッタースピードISO
明(遅い)
暗(速い)

初めてでどこから始めたらいいか分からない時は、カメラ内部の露出計の標準露出(0)を基本として、明暗を調整すると分かりやすい。ぜひ自分の撮りたい明るさになるようにバランスを取りながら、写真を楽しんでほしい。